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Unlearn Ⅴ

  • アディムクティ
  • 9月3日
  • 読了時間: 11分

更新日:9月5日

                                                               2025.9.3(水)

Unlearn(アンラーン)とは、これまでに学習してきた知識や価値観を意図的に手放し、新たな学びを促すことです。


具体的には、従来の仕事のやり方を見直し、新しい技術や思考方法を積極的に取り入れることや、

自分がこれまで当たり前だと思っていたことを疑ってみることなど・・・のことです。


今年の私の在り方の目標でもあります。


日常生活の中に滑り込んでいる「思い込み」を、まずは外してみようと心掛けています。


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先日、カウンセリングルームに訪れた方が、夏休みに千葉に遊びに行ってきたお土産話と、その時買ったクッキーのお裾分けを持ってきてくださいました。


そのクッキーは個包装されていて、パッケージのイラストには千葉県マスコットキャラクターの“チーバくん”が印刷されていました。


こんなに近い県なのに、チーバくんのことを知りませんでした。

テレビ番組でちょっと見た気はしますが、すっかり忘れていました。


「このキャラクターは千葉県の形からイメージされているそうです」と聞いて、「ほーっ、確かに!」

キャラクターの下半身が房総半島に見えた瞬間、快感が走りました。


その日の夜、私の家族にその話をして「静岡県も金魚ちゃんというキャラクター作ったらどうかなぁ」と冗談半分に言うと、「は?」という顔をされました。私の家族は、静岡県の形を金魚だと思ったことは一度もないというのです。


そもそも「金魚ちゃん」では、静岡県のキャラクターかどうか分かりにくいですが(チーバくんのようになりませんから)、私がびっくりしたのは、皆が皆、金魚の形に見えているわけではないことを知ったことです。


「静岡県の形はどう見たって金魚でしょ」も私の長年の思い込みだったとは!


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先日、自分の車に友人を乗せて運転していました。


その友人は、車内についているサンバイザーを下げて、中央の四角い枠をパカッと手前に開いて、鏡を見ながらお化粧をし始めました。


その時、衝撃を覚えました。


もう12年近くこの車に乗っているのに、そこに鏡があることを初めて知りました。


「えっ!!」と大きな声を出してしまいました。


「そこ鏡なの!?」と言いながら、自分も同じようにやってみると鏡が!


一度も開いていなかったせいでピッカピカの鏡が「初めまして!」と言わんばかりに顔を出しました。


私のその言動に、今度は彼女の方がびっくりして

「えっ!今まで知らなかったの?嘘でしょ!」

と言いました。


私の「ここには鏡が内蔵されていたんだ!」と、

彼女の「今までそれを知らなかったの?」のびっくり度が同じくらいだったのかもしれません。


二人で結構長い間、最近の悩みや気づきなど深い話をしたのに、その時初めて知った互いの新事実が、全てを打ち消してしまうくらいの衝撃で、驚きの次には笑いが止まらなくなり、もう深刻な話に戻れなくなりました。


笑っても涙って出てくるものなのですね。


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東京に住んでいて実家が藤枝市、という友人が、夏休みに帰省してきました。


そのついでに会おうという感じで連絡を取り合い、今年も会うことになりました。


最近観た映画の話に及んで、「〝国宝“ が良すぎて、2回も観に行っちゃったよ〜」と彼女がいうのです。


クールな彼女がそんなに感動するなんて!


と興味が湧いて、私は後日家族と観に行くことにしました。


ところが、相変わらず私の変な思い込みが作動してしまい、当日の前の日のチケット予約をしてしまっていたのです。


当日になってもそれに気づきもせず、確認することもなく、普通に列に並んで入場しようとしました。

しかし入場口でQRコードをスタッフに見せると、「お客様、昨日の予約チケットになっていますね。」と言うのです。

よく見たら、昨日の日付になっていました。


ガーーーン!!


すでに、カード決済で処理されているので、もちろん返金もなければ当日券に換えることもできません。

仕方ない、再度当日券を購入か・・・と思ったところで、満席のためそれができません。

この回がこの日の最後の上映になっていましたし、今日は家族の最後の夏休みでした。


これ以上の不運はないと思いました。


ただただ損をしました。


どうやってそれを乗り切れるのでしょう。

良い方に捉えようと思っても、ちっとも考えが浮かびません。


イソップ童話の「酸っぱいブドウ」というお話では、お腹を空かせた狐が、高いところにぶら下がっている美味しそうなブドウをとろうして何度もジャンプします。


ところがもう少し・・のところでとれません。


狐は諦めます。

「きっとあのブドウは酸っぱいに違いない」と自分に言い聞かせて、その場を去っていきます。


私も狐のようにそれができればこの場をサッと立ち去れるのに・・・。


友人の話してくれたネタバレ寸前のストーリー展開も、

名優たちの演技力を称える言葉も、


それを聞いてしまった以上、「あの映画はきっと私にとって面白くなかったんだ」と言い聞かせることはできませんでした。


一緒に行った家族も残念そうで・・・。

しかしそれ以上に私の落ち込みぶりが激しかったのか、慰めようもない様子でした。


観たかったのに観れなかったがっかりと、

自分の“注意力のなさ”を嘆くのと、

せめてお金が返ってくるなら不幸中の幸いだと慰めることもできたでしょうが、それもできないのか・・・・の悔しさと悲しさ・・・、

今日が最後の夏休みで、それを楽しみにしてきた特別な思いも泡と化してしまった・・・

そんな虚しさで、ズドーンと落ち込んでしまいました。


外に出ると、ギラギラと照りつけるような太陽の光、暑さを更に増してくる照り返しのコンクリート。

その上をガックリ肩を落としながら、抜け殻みたいな身体をひきずって駅に向かって歩いている私。

太陽さえ恨めしいよ、こんな時は・・・。


自宅に戻ると映画を観れなかったことで、落ち込み時間だけは十分にありました。

落ち込みの気分の次には、怒りと愚痴が交互に口から出てきました。


全てはネット社会が悪いんだ!

昔はこんなことはなかった!

私は不便でも昔の方がいい!

などなど・・・よくもまぁ、こんな時には愚痴の引き出しがいくつも開くこと開くこと!


その日悶々とした気分で寝て、そして起きた朝、私はある決心をしました。


「映画のチケット代を、買い物で集めたポイントで同金額まで積み上げてみよう!」



私には、「ポイ活は、それほど得はしない」という長い間の「思い込み」がありました。

「塵も積もれば山となる」というけれど、「ポイントを集めても決して山にはならない」という、冷笑気味の自分もいました。


それに、買い物に行って、カードを提示して、1ポイントを受け取る・・・という行為がこの世の中の何より面倒臭いものに位置付けられていました。


裕福でも何でもないのに、ポイントを集めるという意識が自分の脳の中を探しても見当たらないくらい「無い」のです。


カードを作る、

アプリをスマフォにインストールする、

買い物の時お財布のカードの中からそれらを探す、

スマフォを鞄の中から出す、

レジで提示する・・・


ポイント付与にかけるこの時間を全部集めてみてよ!そうしたら他のことができるんじゃない?

集めた時間の代価にもならないお金や商品に、どうして喜べるの?頑張れるの?

みたいに思っていました。


また、カードを出すためゴソゴソしたり、スマフォを取り出してホームボタンを押してページをめくったりしている間に、レジに並んでいる後ろの人を待たせることに苦痛を感じやすいのです。


長蛇のレジの列も気にせず、お札の財布からお札を出した後、カバンの中から別の小銭の財布を取り出し、10円玉と1円玉をゆっくり数えながら支払いをしている人の気持ちが理解できない自分、急いでいる時には苛立つ自分。

そんな自分だからこそ、逆に後ろの人を待たせることにもストレスが強くなってしまいます。


ごちゃごちゃ格好つけて理由を述べましたが、一番は「面倒臭い!」の一点です(笑)


しかし映画のチケット2枚分を損した今、私にはどんなことでもできそうだし、「してみせる!」という勢いがありました。


そこで思いついたことが、「思い込みを外す練習強化月間×損した分をポイントで取り戻す」でした。


スケジュール手帳に詳細に書き込みをすることにしました。


必ずどんなお店でどんな安い買い物をしてもポイントをゲットし、記録しました。


Vポイント1P、楽天ポイント3P、dポイント2ポイント・・・・


スーパーで最近始まったサービスを、宣伝広告のノボリ旗で知れば、積極的にサービスカウンターに行って説明を求め、加入。以前の私なら旗さえ眼中にさえなかったのに不思議です。


チャージしてあれば精算を早く済ませる仕方などもどんどん覚えました。


カードやアプリを持っていない場合はその場で即加入、即インストール。


本屋や文具店でもカードを作りポイントをゲット・・・ポイント加算が2つできると知れば、後ろにお客さんが並んでいても「焦るな落ち着け!」と自分に言って、必ず2枚のカードを提示してゲットする・・・などなど、まるで今までの私とは別人のようです。


やり方がわからない場合は店員を捕まえてどんどん聞きました。


丁寧に対応してくれているにも関わらず、上から目線での説明にちょっと苛立った時もありました。


しかし、「私は今、どんなことにも耐えられる。なぜなら強いダメージと向き合って、それと戦っているんだから!」と、まるで物語の主人公、アニメのヒーローにでもなった気で挑戦を続けていきました。


映画のチケット2枚を損したあの日の悔しさが行動の原動力であり、そして忍耐の母でもありました。

悔しさは、自分に勢いをつけるものだなぁ・・・としみじみ思えるようになっていました。


レストランに入って、ラインのお友達追加をすればアイスが無料でつきます、という時も、さほどアイスが食べたくないのに「思い込みを外す練習」だと思って友達追加してアイスをいただきました。


すると、思いがけず本当に美味しいジェラードでびっくりしました。

思い込みを外す練習が運んできた「ささやかな幸せ」だと感じました。


この頃から、だんだん気持ちが変化してきました。


ポイントを集めること自体、

自分の今までの思い込みを外す練習に直結しているなぁ、

今までできなかったことをやるって大切だなぁ、

楽しくなってきたなぁ・・・


と、気分が軽やかになっていました。


たまたま必要なものを買いに入ったお店で、商品の2割引き期間だったり、25%オフの時期に遭遇するなど、どんどん運が味方してくるような(もしかしたら錯覚かもだけど)喜びを覚えました。


また、携帯を車の中に置いてきてしまいアプリを提示できないとわかった瞬間、レジの列から離れてまでも、携帯を取りに体が勝手に動いている自分に気づき、こんなことも安易とできるようになったんだ!と嬉しくなりました。


カウンセリングルームに来られた相談者様から、藤枝市でデジタルクーポン第一弾が始まっていることを教えてもらいました。


これさえも以前の私なら面倒くさくてスルーしてしまいました。

しかし今は違います。

この制度も使い方を覚え、どんどん使うことができ、全部使い切った昨日、市の予算の枠に予定より早く届いたためこのサービスは終了です、となったことを知り、「フーッ・・・セーフ」とホッと胸を撫で下ろしました。

スリルと安心を体験できました。


スーパーの中を見渡すと、


奥さんに、「私のクーポンは使い果たしたから、あなたのクーポンでこれとこれ買ってきて」と頼まれた風の30代くらいの男性が、予算打ち切る前にレジに並ぶぞ的な勢いで、買い物リストらしきメモを片手にスーパーの中を足早に歩く姿も見られました。


作戦かのように、二手に分かれてレジに並んでいた夫婦もいました。


いつものゆったりとした店内の様子とはどう見ても違う空気感・・・市内で今最も熱いところはここなんじゃないか!?と思えるほどの熱狂を肌で感じながら、私もまるで勝つか負けるかの瀬戸際に立たされているプレイヤーのように真剣になっていることに気づきました。


自宅に戻ってから、スケジュール手帳に書きつけたポイントやクーポンや割引など・・・合計したら3,860円分にもなっていました。


こんなに貯まるものなんだー

知らなかったな〜

やってみないとわからないものなんだな〜

と感激しました。


あの太陽の日差しが照りつけるコンクリートの上をトボトボ歩いていた数週間前の自分を、ちょっとかわいかったなぁ、と懐かしむ感じになっていました。


そんなとき、こんなことが起きました。


ある人が「国宝」を一緒に観ようと言ってくれました。

私がチケット予約をすることになり、「失敗は成功の母」とは大袈裟かもしれませんが、パソコンを開いて今度は慎重にゆっくり入力して間違いなくできました。

割引対象に当てはまることがあって、2枚を2000円で購入することができました😍


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思い込みを外すための新たな気づきのまとめ🤭


①人と関わってコミュニケーションを持てば持つほど、知らなかったことを知る機会が増え、思い込みを外しやすい。


②「悔しい!」が爆発した時、今までできなかったことにチャレンジできるようになる。

そのプロセスの中で、「思い込みを外す」機会に数多く遭遇できる。

 
 
 

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