好きなことをやれ!!vol.13
- アディムクティ
- 8月12日
- 読了時間: 6分
2025.8.12(火)
昨日、ワークショップ「好きなことをやれ!!」vol.13を開催し、講師に美容師30年のキャリアを持つTomomiさんをお迎えしました。
Tomomiさんは、ワークショップ開始時間の1時間前にアディムクティに来られ、車の中から大きなバッグや、マネキン(首から上の)などいろいろな道具を次々と持ち運びました。
一つ一つの道具が、Tomomiさんの手に馴染んでいるように見えました。
30年も一つのことをやり続けている人には、技だけではなく道具までもが粋なものに見えてくるので不思議です。
準備が早く、あっという間に静けさが戻ってきました。
こんな風に、仕事場に着いたら準備をテキパキやって余裕を持って開店し、お客様を優しい笑顔で迎えるのだろうか、と想像できました。
1人、また1人と参加者が玄関から入ってくると、笑顔を向けながら、聞き手に回りながら会話を楽しんでいるTomomiさんの振る舞いに、おもてなしの心が身についているプロとしての佇まいを感じました。
前半は、講師の自分史を語っていただいています。
Tomomiさんが何故美容師を目指されたのかを語っていただきました。
子供の頃から、友達の髪の毛や、母親の髪の毛を触ることが好きだったそうです。
学校を卒業して進路を考える時に、美容師も選択肢にあったそうですが、収入をたくさん得たくて工場で一度働いたそうです。
しかし、やはり美容師になる夢を諦められず母親からも背中を押してもらい、1から勉強をして修行を重ね、今ではお店で一番指名が多い美容師に。
中心街の大きなビルの中にあるお店で、月に200名くらいのお客様の髪をカットしています。
「この仕事が好きだ」という思いが伝わってくる楽しいお話でした。
美容院に行く時には、できればおしゃれをして行ってほしい、
眠ったり雑誌を読んだりしてももちろん自由で構わないが、できれば姿勢を良くして鏡を見ていて欲しい、
カラーはできれば自分でやらないで欲しい、美容師や専門家に任せた方がいい、
など理由を説明しながら、また質問に答えていただきながらのアドバイスもたくさんいただきました。
また美容師に髪をケアしてもらう回数と自分でケアする回数を比べてみたら、明らかに自分でケアする回数の方が多いので、自分でケアすることこそ大切だとの訴えがあり、セルフケアのアドバイスも重ねて詳しく教えていただきました。
・髪の毛はできれば毎日洗って欲しい
・予洗いをちゃんとしてからシャンプーするようにして欲しい。
・シャンプーは髪のどこからつけて洗うのがいいか?と、そのわけ。
・リンス・コンディショナー・トリートメント・・・どれがいいのか?と、そのわけ。
・洗うときの姿勢はどうがいいのか・・・毛穴から毛先に向かう方向になるように首を曲げるのがいい。
・タオルで拭き取る時のコツや、ドライヤーの当て方、乾かし方
などなど。
髪の毛をこれほど大切に扱ってこなかった私には、目から鱗が落ちる思いで聞いていました。
また、今日から実践できそうな内容ばかりでした。
後半は、私の髪の毛を実際にカットしてもらいながら、家族の髪の毛を切る時のコツを伝授してもらいました。
参加者の1人に動画撮影をお願いしました。
カットしていただいている時に感じたことですが、Tomomiさんのハサミや手があまり頭に当たらず、髪の毛を引っ張られている感じもなくノンストレス。
あっという間に仕上げていただきました。
下を見てびっくり。
結構な量の髪の毛が落ちていますが、それほどすいてくれたとは全く感じませんでした。
最後にお茶をしながら、質問や歓談で盛り上がり、ワークショップは終了。
ーーー参加者の感想よりーーー
「先日は素晴らしいWSをありがとうございました♪
あの後、教わったシャンプーの仕方、乾かし方をやっていますがすごくフワッと自然な髪の流れができて喜びを感じています!
自分を愛でる視点が一つ増えて嬉しいです!
あと、恥ずかしいですがあの後毎日何度もトモミさんの笑顔を思い出してときめいています(涙)
なんかすごくファンになったのか?
あの立ち振る舞いに感激しているのか?
心が震えます❤️いつかカットしてもらいたいなぁとか、また会いたいなぁってこの震えを宇宙に放っておきます笑」
とにかく全てがかっこいいTomomiさん、講師を受けてくださりありがとうございました。
参加者の皆様、ありがとうございました。
ブログを読んでくださった方、いつも読んでいただきありがとうございます。
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最近、國分功一郎著の「手段からの解放」という本を読みました。
この本は、「楽しむ」とはどういうことなのか?をテーマに展開されています。
著者は、人間の行為を「目的」と「手段」に従属させようとすることは、現代社会の病理だと述べています。
ただ楽しむこと、享受する快、これを取り戻そう、と訴えています。
「楽しむ」ためにこれをしなければならない、というのでは、我々はおそらく、これまで見たことも無いような「依存症」に出会うことだろう、と警鐘を鳴らしています。
詳細は省きますが、どうしたら「楽しむ」を目的にしないで、「ただそれを楽しむ」という方向にしていけるのか?を述べています。
ーーーーー私たちは、何かをする際に「〜のために」という目的を必ず設定しがちです。
しかし、目的から解放された、
それ自体が目的であるかのような反復的な行動
こそが、本当の楽しみや喜びにつながることだと思う。
具体例
目的を持たずにただ楽器を弾き続けること
意味を考えずにひたすらジョギングをすること
純粋に楽しむためにただ絵を描くこと
こうした「反復」の中では、意識的に何かを達成しようとしないため、手段が目的化する罠に陥りません。
もう一つの重要な答えは、計画通りに進むことばかりを求めず、
偶然の出来事や予期せぬ出会いを受け入れること
具体例
あてもなく散歩しているときに、偶然見つけた景色に感動する。
特定の目的を持たずに参加した集まりで、思わぬ人との出会いがある。
計画された目的の達成にのみ喜びを見出すのではなく、偶然性から生まれる新たな価値や感動に心を開くことで、私たちは「手段」の制約から解放され、より豊かな人生を送ることができるーーーーー
と書かれてありました。
要するに、著者は、目的のために効率よく行動するという現代の価値観から一度離れ、
偶然性を受け入れながら、ただ純粋に行為そのものを楽しむ「反復」の場を意識的に作ること
が、真に楽しむための道だと示唆しています。
Tomomiさんの側を軸に今回のワークショップのことを捉えてみました。
Tomomiさんは、まさに髪をカットすること自体に喜びを見出しており、
さらにお客様との出会いにいつも心を開いています。
その出会いという偶然性を心を開いて受け入れている中で、私との出会いがあり、私がTomomiさんに引き寄せられ、このようなワークショップが開催できたのではないか?
そして結果として参加者様が喜んでくださった。
「目的と手段」
から離れたところにある「楽しさの享受」をTomomiさんから学べた気がします。
私もこの学びを生かして、私もいろいろな人との出会いに心を開いて楽しみたいと思います。



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