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一人旅 I

13 時間前
読了時間: 4分

                                                              

                                                             2026.10.13(火)



午前3時45分。


静まり返った夜明け前、ずっと憧れていた山形県へ向けて車を走らせました。


マイカーでの、初めての「ひとり旅」の始まりです。


静岡を抜け、神奈川、東京、埼玉、群馬、栃木、福島へ……。 いくつもの県を通過するうちに、外はすっかり朝の光に包まれていました。


そして正午前、ついに山形県米沢市に到着。


一番訪れたかった場所「伝国の杜(米沢市上杉博物館)」へ一直線に向かいました。





私が山形に強い憧れを抱いていた理由。


それは、上杉鷹山に対する深いリスペクトがあったからです。


ちょうどこの時期、開館25周年記念特別展「上杉鷹山と米沢の学び舎」が開催されていました。


真正面から見た「伝国の杜」
真正面から見た「伝国の杜」

展示に込められた情報量と情熱、そして感動は、「明日もう一度ここに来よう!」と心から思えるほど素晴らしいものでした。


見学を終えて外に出て、すぐ近くのラーメン店へ。


注文したのは、楽しみにしていた「米沢ラーメン」です。


あっさりとした優しい醤油スープに、よく絡む生麺。


米沢の産業を次々と興した鷹山の情熱や心意気が、時代を超えて今もこの土地の人々に息づいているのかもしれない――そんなことを感じながら、スープの最後の一滴まで大切に味わいました。


生ちぢれ麺が特徴の米沢ラーメン
生ちぢれ麺が特徴の米沢ラーメン















お腹も満たされ、車に戻って今夜の宿探しを始めました。


スマートフォンでビジネスホテルを検索するものの、どこも「満室」の文字ばかり。


残る選択肢は超高級旅館。

でも、さすがにひとり旅には贅沢すぎる……。


最後に電話をかけたホテルのスタッフさんからは、「本日は満室です」と、忙しさで息の切れた声で切られてしまいました。


人手不足と多忙さが痛いほど伝わってきます。


「きっと、今日は宿が見つからないな……」


諦めてそっとスマホを閉じ、シートを倒して足を伸ばしました。


そして、ここで【自分の今の気持ち】と向き合ってみることにしたのです。


「今、どんな気持ち?」


自分自身に優しく問いかけてみました。


「あぁ、宿を探すのってやっぱり大変だな……」

「勢いで飛び出してきたんだから、これも旅の醍醐味だよね。あとで笑い話にしたいな」


そんな風に自分の内なる声にじっくり耳を傾けていると、ちょうど日が暮れ始めてきたことも重なり、ふっと心細さが押し寄せてきました。


頬をツーっと伝う、一筋の涙。


車中泊の選択肢も頭をよぎりましたが、具体的にイメージすると少し怖くなってしまいます。


あれこれと思いを巡らせていたそのとき、ふっとひらめいたのです。


「漫画喫茶はどうだろう?」


心理カウンセリングのプロセスでもよく大切にする考え方があります。


  1. 一度、どん底の感情(最悪のシナリオ)をしっかり受け止める

    (車中泊で、怖さと心細さから一眠りもできない夜を明かすこと……など)


  2. そこから「1mmでも上がる選択」をする

    (漫画喫茶なら、雨風もしのげて安全・安心感がある!)


どん底からの小さな好転。

そのギャップを感じることで、人は大きな安らぎや喜びを味わうことができます。


再びスマホを開き、近くの漫画喫茶を検索。


車を走らせ受付へ向かうと、店員さんが「鍵付きの個室部屋が1つだけ空いていますよ」と教えてくれました。

もちろん即決です!


昔の私なら、きっと焦りとパニックでビジネスホテルをしらみつぶしに電話し続けていたはずです。


けれど、日頃から「心の本音」を丁寧に聴く習慣を重ねてきたおかげで、パニックにならず、自分の安心を一番に考えた柔軟な行動が取れるようになっていました。


自分自身のちょっとした成長を感じて嬉しくなりました。


それにしても、「あと1つだけ空いています」という言葉って、どうしてあんなに魅力的でワクワクするのでしょう🤭




私にとって、漫画喫茶に泊まるのは人生初の体験。


若い人たちがセルフカフェエリアで手慣れた様子でコーヒーを淹れたり、カードキーを使いこなしたりしている姿を見て、「ほほう、若い人たちはこうして賢く快適に過ごしているんだなぁ」と感心してしまいました。


案内された個室に入り、リクライニングシートを倒します。


横になって休める場所があること。

足を伸ばしてリラックスできること。


満室の焦りや車中泊の恐怖を経験したからこそ、「今、ここにある快適さ」への感謝が、自然と心から溢れ出てきました。


私の好きなアーティストの曲に『それぞれの夜』という素敵なフレーズがあります。


♪疲れきったそのからだ 休め眠るその前に 何かひとつだけでも 嬉しい出来事探しだして 笑顔で終わろうよ♪


脳内にその優しいメロディを流しながら、昼間「伝国の杜」のシアターで真剣な眼差しで映像に見入っていた少年の横顔(夢中になっている子どもの表情を見るのが大好きな私です・・・)を思い出しました。


私はいつの間にか、温かな安心感の中で深い眠りについていました。

 
 
 

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