2024.8.12(月)
先日、防災士さんのお話を聞く機会がありました。
この防災士さんは、阪神淡路大震災、東日本大震災、熊本地震など数多くの被災地の調査も行なっている方だったため、言葉に説得力がありました。
私に刺さった最初のワードは
「正常性バイアス」との闘い・・・でした。
正常性バイアスというのは、人類が誕生してより命に備わっている、
「予期せぬ出来事に遭遇した際、楽観的に捉える心理的メカニズム」です。
防災士さんは、「私は大丈夫」と勝手に決め、時が過ぎれば忘れてしまい、
何の準備もしない、そして結局、被災してしまうんですよ、と言っていました。
何を隠そう、私自身、かなりこの心理的メカニズムが作動しやすいのです。
宮崎県で起きた地震が、南海トラフ巨大地震の発端に違いない、と思った初日、私は車のガゾリンを満タンに入れた後、遅くまで開店しているドラッグストアで食料品やトイレットペーパーなどを買い込みました。
しかし、翌日からはだんだん「正常性バイアス」が作動し、自分は大丈夫だと勝手に思い込んでしまいました。
正常性バイアスが人類始まって以来備わっているとしたら、これと闘っていくことは容易なことではないと思いました。
どうしたらこの正常性バイアスと闘い続けられるのだろう?
考えても、考えても、この戦いに勝てそうにないのです。
そこで私は、「勝とう」はやめて「向き合おう」と思うようにしました。
毎日5分間タイマーをかけて、災害について思う時間、準備することや心構えや思いついたことを書き出す時間を確保することにしました。
そしてその時間に考えたことをマインドマップに書くことを決めました。
今日はこんな風に書いてみました。
マインドマップは、
上→下 とか、
右→左 などといったメモの取り方ではなく、
中央から放射状に思いついたことを書いていくので、自由な発想が湧きやすいです。
後から「あっ、さっきのアイディアに付け足したい!」
を書き加えていくことも
しやすいです。
こうして、メモをとることだけ、を毎日5分間習慣づけていくことで、
スーパーやホームセンターに行った時などに「あっ、これこれ、これを買っておこう」となると思います。
さて、防災士さんのお話の中でとても印象的だったことの一つに、避難所に行かないように準備しておくことが大事だというお話がありました。
その時、自分の中で「思い込み」を一つ外せた気がしました。
その思い込みとは、「災害に遭ったら、すぐ第一次避難所に行くこと」でした。
「そうすることが自分を守ることになる」というだけではなくて、
「そうしなきゃだめ」という強い社会規範のようなものに縛られていたと思います。
しかし、防災士さんは、「避難所に行かない準備」は、「自宅で過ごすことができる準備」となり、「助ける側に回れる準備」になる、とおっしゃっておりました。
そうか!
助ける側になりたいという思いは少しだけど私にもあるよなぁ・・・、
それがあるなら準備できるかも、と思いました。
ざっくり「防災準備しよう」と思うのではなく、
「避難所に行かない準備をしよう」という言葉に変換させるだけで充分だと思いました。
それと、避難所で起こることとして、「言い争い・ケンカ」「性犯罪」「留守宅に泥棒」があるともおっしゃっていました。
言い争いやケンカに巻き込まれないとしても、言いたいことを我慢する、ということは絶対起こると思います。
留守宅に泥棒ーーーーというお話の中には、自衛隊の格好をして住所を聞き出しパトロールするようなことを言って物を盗むケースがあった、という内容も。
ただでさえ辛い時に、そんなひどいことをされたら自分はどうなってしまうだろう。
きっと、耐えられないし、物を盗られたショックよりも、その行為自体が深く私を傷つけてしまい、しばらくは人を信じられなくなってしまうだろうと思いました。
災害が落ち着いて、道路や建物などは時間と共に復興していきますが、心の復興には長い時間がかかってしまいます。
もしかしたら、心の復興や回復に一番長くかかってしまうことは、人からの加害を受けてしまった場合なのかもしれません。
いろいろな意味をひっくるめて、「正常性バイアス」と向き合うことはとても重要なことだと思いました。
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