2024.7.30(火)
Zさんの16回目のカウンセリングがありました。
自分の中の他の人格は、自分が3歳〜5、6歳の間にすでに存在していたことについて語ってくださいました。
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その頃からお母さんにそれを伝えたが、否定が続いたことで、「このことは言っちゃいけないこと」・・・にいつの間にかなっていった。
空想とは違う世界だが、空想っていうことにして、自分の内側と自分の外側がずれないように整合性を作ってきた。
耐え難いような嫌なことが起きる。
すると自己の内側に逃げる。
人格さんたちとお話しして過ごしている時間は一番楽しく心地よい。
大人になって、その人格さんは彼女の体を借りて彼女の知らぬ間に喋ったり行動したりするようになった。
整合性がどんどん崩れていった。
もはや空想とか幻聴とかとはあきらかに違う。
事実として外に漏れていく。
怒りを請け負って生きている人格、性被害のトラウマを請け負って生きている人格、何もかもぶっ壊したい願望を抱えている男の子の人格・・・。
楽しい時間とは言い難くなっていった。
中に住む人格さんのそれそれの気持ちを聞くのは怖い。
そして、本当の自分を知るのも怖い。
性被害にあったという自覚を持つということは、
自分が人としてではなくモノとして扱われていたことを決定づけてしまうようで怖い。
自分は何も悪くない、と思いたいのに、
「お前に落ち度がある」と言い続けた母親や親戚のおばさんの声が、彼女の頭に棲みついている。
そしてその声に縛られてしまう。
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今回のカウンセリングは彼女の話を遮らずに自由に表出していただきました。
私は、
・中にいる人格さんの気持ちを聞くのを怖がっているが、一歩勇気を出して、向き合って対話をしてみたらどうかを勧めました。
そこで、彼女にSNSのグループを作成していただき、人格さんにそのページ上で書き込みをしてもらい、それを自分の人格でいられる時間帯に読んでそれぞれの人格さんに返事や思ったことを伝えることを提案しました。
その中に私も入りました。(私は読むだけ)
・同じ性被害を受けた人たちとつながるサイトを探して、グループに加わることを勧めてみました。
父親に13歳の時から性被害を受けてきた山本潤さんの手記を読んだ彼女が、
「私の気持ちを表現していくれている」と言った一言にヒントを得ました。
それと、少し前に、カウンセリングルームを訪れたアルコール依存症のご主人に悩ませれてきた友人の話がヒントになりました。
彼女が語った「断酒会」のあり方が、とてもいいと感じました。
両方とも、一歩前進の糸口に「スピークアウト」がありました。
内側で起こったことを声にして、外側に出していくことは勇気が必要です。
しかし、安全な場所から始めていくことならもしかしてできるし、
その時、自分の内側に何か変容が起きてくれば、
同じところをぐるぐるエンドレスに回るという状態から抜け出していける可能性があります。
私がZさんのことを全て理解することは難しいことです。
しかし、まだ自分にできることがあるうちは諦めたくありません。
カウンセラーは自己の限界を知ることが時には必要です。
一方で、何らかの可能性を感じたら、そこにフックをかけてロープをかけて登ってみる・・・できることが見つかるうちは諦めないでいこうと思います。
※ブログに掲載することは、自分と同じ経験をした人の少しでもお役に立ちたいというご本人の思いから、了承を得ています。
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📕13歳、「私」をなくした私----の中から。
✒️被害者・サバイバーに言ってはいけないこと
・「まさか、信じられない!」
「あなたは嘘つきだ」と言われているように感じることがあります。
・「どうして、あの人があなたにそんなことをしたの?あなたが何かしたんじゃないの?」
性暴力の責任はあなたにあると言われているように感じられます。
・「もう忘れなよ。先に進まなきゃ」
人は性暴力からすぐに立ち直って、先に進むことなんてできません。
・「あなたの気持ちはわかるよ」
性被害を受けたことがないのなら、本当にはわからないはず。
・「かわいそうに」
同情されることを一番嫌がる人もいます。
・「あなたにそんなことをしたやつは許せない」
被害者は自分を責めています。ほかの人が加害者を責めると、「悪いのは私」と被害者が加害者をかばおうとしたり、怒りをなだめたりしないといけなくなります。
加害者が家族だった場合、被害者は自分も責められているように感じることがあります。
・「誤解しているんじゃないの?」
被害者は起こったことを誤解しているんじゃないかと悩んだあげく、あなたに打ち明けています。
被害者・サバイバーに伝えてほしいこと
・「あなたの話を信じるよ」
性被害を打ち明けるのはとても勇気がいること。
被害者に伝えるべき最も大切な言葉です。
・「あなたのせいじゃないよ」
被害を受けた人は自分のせいだと思っています。
でも被害者には、性暴力の責任は全くありません。
・「あなたは1人じゃない。あなたがおかしいわけじゃない」
性暴力を受けたあと、症状が出るのは当然なことです。
被害者は全く正常な人で、変になっているのではありません。
(もふもふネット専門研修資料)
被害者は「こんな被害を受けたのは自分だけ」と思うことがあります。
決してそうではなく、性暴力被害の経験がある人はたくさんいること、あなたには多くの仲間とも呼べる人たちがいること、性暴力の責任はどんなときも加害者にあることを伝えましょう。🖊️
この本を読んだ時、
被害にあった人の勇気あるスピークアウトこそが多くの人を助ける力になる!
そう思いました。
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