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一緒に成長15

                                                               2024.7.3(水)


(ブログに掲載することをご本人から了承を得ています)



先日、解離性人格障害からくるうつ症状のZさんの15回目のカウンセリングを行いました。


彼女は、自分の状態を一生懸命言語化して、私に伝わるように話してくれます。


しかし、その一方「言葉にして自分の口から外に投げた時、ズレが生じているのがわかる。」と言います。


本音や、核になっているところではなく、その周辺が、言葉となって外に出ていく感じがするらしい・・・。


私は、Zさんの発する言葉をそのまま受け取るので、もしかしたら今までズレたまま対話が進んでいたのかもしれません。



本音の周辺を話す・・・これは生い立ちの中で身につけてきた自分の守り方だったのかもしれません。




これからは、彼女の言葉が本音の核にどれだけ近いのか、もしくはどれだけ離れているのか、を丁寧にうかがっていく、ゆっくりペースでの対話が何より重要だと痛感しました。


勘違い、ズレ、一方的な解釈や思い込み・・・これらをなくしていくだけで随分カウンセリングの中身は変わると思いました。


相談者と共に一緒に成長していくということは、案外、このような気づきと修正をコツコツ積み上げていくだけなのかもしれません。



以前、若い青年が母親と一緒にカウンセリングルームを訪れました。


彼は、「自分を包んでいる紙を剥がすと(本心に近づいてしまうと)、社会に出られなくなるようで怖い。」と言っていました。


その時の青年の「おそれ」を思いました。


幼少期に、自分がありのままの感情を出した時に、周囲がどのような受け止め方をしたのか・・・これはとても重要なことだと思いました。



Zさんのことに戻って・・・


彼女は心の中に沸き起こってくる感情をノートに書き続けています。

また新たに1冊増えたので、私のために置いていってくださいました。



1ページ、1ページゆっくり読んでいきました。


読み終えて・・・・


解離性人格障害を発症した一番大きな理由について、ある点に行き当たりました。


それは幼少期から続いていた性被害です。


その関連がくっきり浮かび上がってくる感じがしました。




さて、この段階で、新たな展開が一つありました。


Zさんの中にいる人格さんが2人、それぞれが別々に、私あてにメールを送ってきたことです。


1人は、このツールを使っていい?という質問でした。


もう1人は、Zさんの怒りを代わりに自分が爆発させました!というメッセージでした。


返信をしようかしまいか随分迷いました。


そしてふと、こんなに迷っている自分がいるんだ・・・とハッと我にかえりました。


わからないことはしない、という決断を選択し、返信をしませんでした。



この障害の専門家に相談したい、


良い方向に変わったというケースがあればどのような心理療法によるものだったのか知りたい、


と思いました。


私を成長させてくれる人、力をつけさせてくれる人は、今、自分の目の前にいる人なんだ・・・と今回も思いました。

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